日本音楽療法学会 2024年度 「現地対面型:研修・講習会」のご案内

2025年2月15日(土)~2025年2月16日(日)実施予定

場所:武庫川女子大学

2025年2月15日(土) ≪全体研修≫◎プログラム ※2コマ受講が条件となります。

12:15          受付

  12:45~13:00  挨拶・ガイダンス 

  13:00~14:30 第1講 全体研修

  14:30~14:45 休憩

  14:45~16:15 第2講 全体研修

■≪全体研修≫
タイトル痛みや苦しみを抱えている人に向き合おうとする心のあり方 ~ホスピスケアの歴史を振り返り、マインドを忘れないために~
講師三枝 好幸:桜町病院 ホスピス科 部長
講演概要1967年ロンドンにセントクリストファーホスピスが開設され、現代ホスピスが幕を開けた。設立者のシシリー・ソンダースは、痛みや苦しみを抱えている人に向き合おうとする心のあり方をケアリングマインドとして示され、ホスピスは世界中に広がっていった。わが国で最初にホスピスケアが実践されたのは、1973年大阪の淀川キリスト教病院においてである。ケアリングマインドは脈々と受け継がれ、現在全国の緩和ケ病棟は500施設を超えている。マインドはホスピス緩和ケアに留まらず、ケアに携わるすべての人が是非とも持ち続けてほしいものである。ホスピスの歴史を振り返りマインドの普遍性、持ち続けることの大切さを共に考えたい。(オカリナ演奏付き)

2025年2月16日(日) ≪分科会≫◎プログラム ※3コマ受講が条件となります。

9:30           受付

10:00~10:15 挨拶・ガイダンス 

10:15~11:45 第1講 

11:45~12:45 休憩(昼食)

12:45~14:15 第2講 

14:15~14:30 休憩

14:30~16:00 第3講

A会場 ≪分科会①≫
タイトル多様な発達スタイルの子どもたちの理解と支援 ~感覚統合理論、スヌーズレンの理念に基づく実践~
講師太田 篤志:福祉事業所運営
講演概要いわゆる発達障害と呼ばれている子どもたちのなかには、感覚や体の使い方に多様性がみられることがあります。この多様性を理解・尊重し、適切な配慮と発達的サポートを行っていくことで、子どもたちの生き生きとした生活を実現することができると考え、これまで実践してきました。私の実践において大切にしてきた考え方は、感覚統合理論とスヌーズレンの理念です。感覚統合理論は、感覚-運動の多様性によって生じる子どもの行動や運動の困難さを理解することに役立ちます。またスヌーズレンの理念は、発達促進という視点から離れ子どもの多様性を受けとめることで子どもとの関わり合いや楽しさの共有の大切さに気付くことができます。今回の講義では、この2つの視点で、多様性によって生じる行動の理解、支援の方法、さらに多様な発達スタイルの子どもたちの捉え方などについて考える機会をもつとともに、これらの理念をベースとして運営しているプレイジム(児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援事業所)での取り組みなどについて紹介させて頂きます。(少し体を動かすミニワークも実施する予定です)
B会場 ≪分科会②≫
タイトル音楽療法と声―
講師羽石 英里:昭和音楽大学
講演概要私たちにとって「声」はどのようなものでしょうか? 言葉を話すことや歌うことの音源であることはもちろん、心身の状態を映し出す鏡であり、同時にアイデンティティにもかかわる非常に大切な存在です。本講演では、発声器官の進化論的起源とそれゆえに人類が負ってしまった課題、呼吸・発声・構音機能の連続的なメカニズム、加齢と発声の関係、パーキンソン病による発声・構音障害、その解決方法のひとつとしての音楽療法ボイスプログラム、そして声を使う職業・音楽療法士の声の使い方の特殊性などについて解説し、皆さんと体験していきます。気持ちよく声を出すこと―それはセラピストとその対象となる人たちを幸せにするツールかもしれません。
■C会場 ≪分科会③≫
タイトル「人間と音楽の本質的関わりについて    〜重症心身障害児者(医療的ケア児者)の事例から学ぶ〜」
講師髙山 仁:たかやま音楽療法研究所主宰 日本音楽療法学会代議員 認定音楽療法士
講演概要髙山の重症心身障害児との出会いは20年ほど前に遡る。病院に隣接する某支援学校からの依頼で、中学部の最重度心身障害(=医療的ケア、学校では重度重複障害)A君との出会いから始まった。A君は1歳の時に自宅の池に落ち、“低酸素脳症”の重い障害を負った。人工呼吸器をつけ、目は見えず耳も聞こえているか不確かな状態であり、手足は動かず、一見、何もできないように見えた。「音楽療法をどのように実践するか」途方にくれた髙山は、A君の側で歌うことから始めた。数ヶ月後、「もののけ姫」の曲になると心拍数に変化が出た。その後、この曲を演奏すると涙を流す様子が見られるようになった。この経験から髙山は、「音楽することmusicking」の意味を考えるようになり、すべての実践において、人間と音楽の本質的関わりを考察しながら実践してきた。 今回の研修では、これらの内容を含め「身体、知力・認知、感情、関係・社会性」の発達の焦点・順序性を確認しながら、参加の皆様とともに「実践映像」から学びたいと考えている。そして、この作業は音楽療法の原点的学びであり、特に、自閉症や高齢者の領域にも大いに関連した学びとなろう。

*詳細につきましては、これからの日本音楽療法学会HP、及びニュースレターでご確認ください。

*いずれの日程においても、1講目から最終講義までの参加をお願い致します(途中退場はできません)。

日本音楽療法学会 研修・講習委員会